伊豆諸島・八丈島で稼働中の一般ごみ焼却灰の最終処分場をめぐり、市民団体が水質検査のずさんさを問題視している。井戸から地下水が採取できず、検査そのものが成り立っていないというのだ。 (白名正和)
「水質検査を見て驚いた。計測場所の一つである上流の井戸に水がたまっておらず、側面から出てきた水をバケツにためて計測していた。これでは適正な検査はできない」。処分場の運営を監視する「水海(みずみ)山の緑と水を守る会」事務局長の長田隆弘さん(52)は説明する。
水質検査は、環境省令で実施が義務付けられている。処分場の上流と下流の2カ所以上で地下水を採取し、汚染物質が地下に漏れ出ていないかを確認する。
長田さんが9月に偶然、月1回の検査に立ち会ったところ、地下7メートルの上流地点の井戸に水がなかった。10月も同じだった。「上流と下流の比較ができず、汚染物質が漏れ出ているかが分からない。今の検査の体制には不備があり不安だ」
処分場は、水源に近い水海山に位置する。埋め立て容積は4万9500立方メートル。計画では八丈島のほか三宅島、御蔵島、青ケ島で出るごみの焼却灰を17年分埋め立てる。
発端は1999年に厚生省(現厚生労働省)が出した通達だ。遮水シートなどの対策がない処分場に灰の搬入ができなくなり、伊豆諸島の町村が新たな処分場の建設場所を議論。八丈島と大島、三宅島に建設することが決まった。
八丈島では、水源から離れた場所で用地取得がうまくいかず、2006年12月に水海山が浮上。貴重な飲み水が汚染されることを恐れた長田さんらは守る会を結成し、08年7月ごろから反対運動をスタートした。しかし、島内で賛否が割れる中、09年6月に本格的着工。三宅島は00年の噴火で計画が棚上げされる一方、大島は06年5月、八丈島は12年10月にそれぞれ完成した。
島民にとって水は飲料用であるとともに、産業を支える特別な存在だ。特産のくさやは、新鮮な水に何度もつけるという独特の製法により、味がまろやかになるという。有名な焼酎も、伝統的な絹織物「黄八丈」も、良い水がなければつくれない。くさやの製造販売業を営む長田さんは「水なくして八丈島はない」と強調する。
行政は、長田さんらの不安をどう受け止めるか。処分場を管理する島嶼(とうしょ)町村一部事務組合は問題なしとの立場だ。廃棄物対策課の黒岩秀之参事(課長事務取扱)は「バケツで集めているのは1度地下を通った水であり、地下水だと考えている。都や国からもこれで問題ないとの回答を得ている」と説明する。
長田さんは今月7日、環境省の担当者に状況を説明したが、事務組合への指導などに動くことはなかった。「悲しかった。島に生活している人々の思いを分かってほしかった」
廃棄物処分場問題全国ネットワークの藤原寿和・共同代表は「処分場は不安をともなう施設で、ただ必要性を訴えるだけでは住民の理解は得られない。新たにボーリング調査を行い直接地下水を取れる井戸を設置するなど、行政側には丁寧な姿勢が求められる」と指摘した。
(2014年11月12日) 【北陸中日新聞】
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