ニュースレターNo.2 【寄付しました】NPO法人こどもハートクラブ様インタビュー

特集:【寄付しました】NPO法人こどもハートクラブ様インタビュー

FROM:浜條・長谷・土井

愛知県で子どもの虐待防止のために活動しているNPO団体、「こどもハートクラブ」様へ事業で得た収益の一部を寄付するのと同時に、虐待に関する現状などをインタビューしてきました。

ランドセルは不要?!

【長谷】具体的に小林さんたちがやられていることを教えていただけますか。

【小林】まず、今日お話をさせていただくに当たって、ご寄付ということなんですけれども、私たち、2種類の子供のタイプで活動していまして、基本的には、児童虐待を防止するという事業と、あとは児童養護施設で暮らしている子供たちの支援をするという2種類なんですけれども、どちらかというと児童養護施設をバックアップされたいという感じなのですかね。

【長谷】当初はそうでしたね。土井と一緒に調べたんですけど、何に困っているのかも実際よくわからなくて、養護施設も本当にピンキリというか、お金がたくさんあるところもあるし、無いところっていうのが探しきれなかったんですよ。

そういうのも本当にわからなくて、何が欲しいのか、何に困っているのかがわからないので、教えてほしいくらいです。

【小林】児童養護施設で困っていることですか。例えば、以前にあったんですけれども、伊達直人がランドセルを送ったというのがありましたよね。

例えば、児童養護施設に職員が出勤すると、ランドセルがばーっと置いてあるんですよ。でも、その園には1年生になる子が2人しかいないとかという現実で。

なので、本当に何が必要なのかをというのを把握しないと、ランドセルが今は飽和状態なんですよ。

今は児童養護施設も、例えばランドセルにしてもそうなんですけど、国が、小学校1年生に上がるときに文具がいいのかランドセルがいいのかを選択させるんですよね。

それを皆さん知らないので、そうすると、ランドセルだけ要らないっていうことになって、迷惑な支援になってしまうので、本当に何がいいのかというと、正直ぶっちゃけた話でいうと、現金が一番いいということになるんですよ。

関わりとして児童養護施設を支援するという形にはなっているんですけれども、物品というと、本当に何から何まで子供に必要な物は何かというと、ほとんどが必要だと思うんですよ。

ただ、それが過剰にあるところに送っても仕方がないものですから、私たちはそれを判断させていただいて送るという。

3日に1人子供が虐待で亡くなっている

【長谷】子供の特徴は、あざがあるとか綺麗にしていないとかあると思うんですが、親の特徴ってありますか。

【小林】やっぱり、これも専門分野になるんですが、虐待をする人たちの統計をとると、実母からの虐待が一番なんですね。例えば、よくテレビなんかで見ると、内縁の夫が虐待をしたとかあるんですけど、あれは一部なんですよ。

今3日に1人の子供たちが虐待で亡くなっているという現状なんです。だから、年間100人ぐらい亡くなっているという計算になるんですね。もちろん差はあるんですけど、大体3日に1人ぐらいと言われているんです。

なぜ実母なのかというと、虐待死した子供の半分、約48%ぐらいなんですけど、0歳で殺される子供がほとんどなんです。どうして殺されるかというと、予期せぬ妊娠だったり、望まない妊娠だったり、また、虐待を受けて育ったような人だと、これはあってはならないことなんですけど、近親相姦とかもあるんですよ。だから、家族ぐるみで子供を殺める。

私が知っている中で一番若い子だと、13歳で妊娠をしてしまったという子供がいるんですけど、子供だから自分が妊娠しているってわからないわけですよ。22週を過ぎると堕胎ができないので、結局生まれてきた瞬間に殺してしまえみたいなことがあるわけです。結局実母が殺してしまうというケースが多いんですけど、どういう親が多いかというと、よく考えてみれば、すごくお金持ちで親にゆとりがあるところには虐待は起こらないんですよね。

【長谷】貧困が問題ですか。

【小林】そうなんです。今、世の中の16.3%が貧困と言われているんです。122万円以下が貧困なんですけど、要するに、普通の標準世帯の半分しかないわけですよね。2人、3人となると255万円までとかいろんな縛りがあるんですけど、本当に貧困の子供たちがいるんです。今、6人に1人の子供が貧困ということは、逆に言えば6人に1人が虐待に遭ってもおかしくないわけですよね。

今、現状としては、そういう親の貧困、また、もっとクローズアップしていくと、ひとり親世帯、シングルマザーで子供を育てていると、例えば風俗だとかホステスさんだとか、要するにお金の割のいいところで働こうとするわけですね。

そうすると、そういう男性ができる、そうするとまた虐待をしてしまうということの繰り返し、世の中の負のスパイラル、それが虐待につながる。今はもう3人に1人が非正規雇用だと言われている世の中ですので、本当に世の中が暗いところにいるのが現状だと思います。

【長谷】小林さんがやられているのは、緊急性というか、今すぐ助けてあげなきゃいけないところをやられているので、根元に近いというか、そこをやらないとという事ですよね。

【小林】そうですね。本当に上辺だけの支援というか、それこそ上辺だけのことは国がやってくれるというわけですよね。  だから、本当にやらなきゃいけないのは、こういう民間の団体がいかに動いて、本当の根っこの部分で何とかしてあげられることができるかというところが一番肝だと思います。

【長谷】手応えはありますか。

【小林】やっぱり実際問題、子供を救出したり、もちろん児相に通報したケースもありますけど、やっぱり手応えというのは、NHKさんが私たちのやっている活動を紹介してくださったりしているんですけど、今でも何度も支援の物品、例えば石鹸だとかタオルだとかを倉庫いっぱいになるぐらいにしてくださるんです。だから、この世の中捨てたものじゃないというか、思ってくださる心優しい方がいらっしゃるので、私たちはその方たちとともに支えられてやっているなというところでは、手応えというか、感謝の気持ちがたくさんあります。

手応えはあちこちで感じてはいるんですけれども、でも助けられてはいないのかなとか無力だなとか、テレビで亡くなった事件を見ると心苦しくなります。

【長谷】地域で言うと、愛知県は多いんですか、虐待の数というのは。

【小林】全国で8位ぐらいですね。1位は大阪です。

【長谷】世界的にみると日本は多いんですか。

【小林】日本は多いですね。だから、海外の支援をしたいという団体さんが、ボールペンだとかそういったものをカンボジアとかに送るということをやれられているんですけれども、すごく集まって、すごい数のボールペンがあるんですけれども、その団体さんが送るのをやめて、結局人の善意をまたこっちに押し付けちゃった部分とかもありまして、最後まで責任を持って届けるまでが活動だと思うので、集めるだけ集めて諸外国に送ってあげることもできない団体さんもいるというのは残念だなと思います。

私たちにできることは?

【土井】私たちができることといったら、メルマガやニュースレターを通して多くの人に知ってもらうこととかなのかな、と思うのですけど。

【浜條】啓発ですよね。

【西本】やっぱり1つは啓発ということですね。知らない人が今日初めて聞いて、意識が変わるじゃないですか。まずは啓発が一番大事ですかね。

正直、有効な手立てというのがわからなくて、起きてしまって預けられている子供たちを支援するというのが物的支援なんですけど、本当の意味で防止するには、伝えたい人に伝わらないんですよね。

講演会をやっても、関心が高い人は虐待をしていないんですよ。虐待をしている人はやっぱり来ないし、どうしたら親とか悩んでいるお母さんたちに我々の活動が届くのかとか、そういうところが悩みどころなんですよね。そういうことを一緒に考えてくれる人も欲しいなと思うし、我々がやっていることをお手伝いしていただける人達も賛助会員のような形で欲しいなと思います。

防止の部分が、手応えもいろんな人の関心が高まることによって感じてはいるものの、一向に減らない。また今日も起きてしまう。地元で起きようものなら、あんたたち、活動をしているのに何でこんなことになるのというような非難を浴びてしまう。いじめみたいに外であからさまに行われていることには何かできるんですけど、虐待というのは密室で行われているんですよね。また、しつけか虐待かの区別ができない人が多いので、そういうのを発見しようと思うと本当に大変なんですよね。

【小林】また、関心を持つと、私のように虐待にあった人たちが集まってくるんですよね。今うちにも1人いるんですけど、ここにたばこの跡があるんですよ。それは父親から幼少期にやられて、もう本当に悲惨な幼少期を過ごした者もいますので、やっぱり皆さんが知って、今日ここでお話しできただけでも啓発にはなっていると思うんですよ。

こどもハートクラブ小林様、西本様、貴重なお時間を頂きまして、本当にありがとうございました!!

引き続き寄付という形で協力をしていきたいと思っています。

宜しくお願いします。                    

エイチツー一同

2017.4.17