ニュースレターNo.9 【寄付しました】日本IDDMネットワーク様(前半)

特集:【寄付しました】日本IDDMネットワーク様  インタビュー  (前半)

FROM:長谷、土井

1型糖尿病患者への支援をしているNPO法人「日本IDDMネットワーク」様へ事業で得た収益の一部を寄付するのと同時に、1型糖尿病についてインタビューしました。

寄付のきっかけ

 村上龍  著「心はあなたのもとに」

【長谷】今回の寄付のきっかけになったのが、村上龍さんの1型糖尿病患者が主人公の小説「心はあなたのもとに」なんです。

【井上】村上龍さんがきっかけというのが実はあまりなくて、とても嬉しい話です。

知人の男性が1型糖尿病だったことを村上龍さんも初めて知って、その後この小説の執筆をきっかけに私たちとの交流が始まりました。

村上龍さんはある意味私たちの強力なサポーターです。彼の発信は本当にすごいんですよね、様々な媒体で発信しています。

村上さんが小説を書くにあたって1型糖尿病を調べていくうちに我々の存在を知り、あの小説を出した以上、この病気に対して自分も社会的な責任を負うと仰っていただいて、自分のメディアを通してこの病気の周知に協力していただいています。

村上龍さんが編集長のメルマガJMM【Japan Mail Media】等でも発信してくれています。

糖尿病には1型と2型がある

【長谷】僕もあの小説で1型糖尿病を知って土井に連絡を取ってもらったんですけど、みんな知らないんですよね、1型 2型があるということ自体も。

病気と言っていいんですよね?

【井上】もちろん、そうですね。しかも死と隣り合っている病気です。インスリンを4~5日打たないと高血糖で意識を失い、放置すると死に至ります。

この1型糖尿病は小さい子供の発症が2型糖尿病に比べて多いのですけれども、最近は成人発症もたくさんいることがわかってきました。

まず、糖尿病には1型と2型があるんですが、1型はすい臓の病気なんです。すい臓は胃袋の裏側にあります。そこでインスリンという血糖を下げるホルモンを自分で作れなくなる病気です。

血糖値はどのぐらいが適当な値がご存知でしょうか?血圧ほどは知られていないですね。

血圧は最低が80ぐらい、最高が120ぐらいが標準ですね。血糖値も実はそれに近い数字で、ミリグラム・パー・デシリットル(mg/dl)という単位で、血液中のブドウ糖の濃度なんですけれども、大体空腹時は100前後です。

ところがインスリンが不足している場合にはその値が800とか900になるんですよね。つまり血液中のブドウ糖を全く有効に処理できなくなって、血液中でブドウ糖があふれかえってしまう。

短期間にこのような状態になると、突然の高血糖による昏睡に陥って病気が見つかることになります。極端な場合には数週間で急激に発症するケースがあります。

標準的にはインスリンの枯渇には大体数ヶ月から1、2年ぐらいかかるんですよ。そういう場合は、倦怠感、多飲、多尿、頻尿、そして体重減少が徐々にが現れ、病院に行くと、血糖値や抗体検査から1型糖尿病と診断されます。

糖尿病はよく知られているんですが、1型は1%ぐらい、残りの99%は2型です。おそらく皆さんがご存知の糖尿病は2型ですし、糖尿病という言葉は皆さんよく知ってみえるんですが、残念ながら2種類あるということを知っている人はすごく少ないです。

糖尿病の治療法

【長谷】1型と2型の違いは生活習慣が主な原因かどうかと書かれていますけど、インスリンが出ないのは同じなんだけど、なぜ出なくなったのかというメカニズムが違うということですか?

【井上】1型糖尿病はインスリンが完全に体で作られなくなるんです。一方2型はインスリンはゼロにはならないんです。

2型はかなり肥満体形で自分の出すインスリンの量で賄えない。あるいは摂取するカロリーが高く、自分の体で作るインスリンが相対的に不足している状態です。だから食べる量を減らして、血液中の糖の量を減らしてバランスを取る食事療法が有効なんです。そして運動をする。運動をすればインスリンの利きが良くなるんです。そうすると多少不足気味でも賄える。ですから、運動療法、食事療法が主な治療法になります。

1型はインスリンが出ないんだからどうするか。インスリンを補充する治療しかないのです。絶対的に不足しているわけですから必要なインスリンを体外から補充するしかないのです。

インスリンの補充は1日3回の食事のたびに行います。それから肝臓に蓄えられたブドウ糖は食事とは無関係に常に出ていて、これは基礎代謝に相当するんですが、このブドウ糖を処理をするためにもう一回のインスリン補充が必要です。つまり最低でも1日4回注射でインスリンを補充を行います。

健康な人はすい臓が血糖センサーを持っていて必要なインスリンを自動的に出すから常に血糖値が一定に維持されますが、この病気の人たちはその機能がないから自分でやらなきゃいけないんですよ。このインスリン補充が基本的な治療です。

1型糖尿病患者が抱える現状

【井上】実はアジア圏では1型糖尿病患者は少ないんですよ。北米やヨーロッパのほうでは日本の数十倍の割合で多いんです。日本での1型の患者数が実ははっきりわかっていないんですが、子供の場合大体数千人に1人ぐらいでしょう。

仮に5000人に1人とすると、小学校の標準的な規模が500人ぐらいですから、10校集めると1人いるというぐらいの少なさです。総患者数は日本全国で大体10万人前後だと思います。日本の人口の0.1%以下です。

日本では数が少ないので非常に認知度が低いため、学校、就職、結婚、介護での問題があります。

介護施設で、例えば認知症になった患者が自分でインスリン補充ができなくなっても介護職員が手を貸せないんです。医療行為になってしまうので。そうすると、常勤の看護師がいなければいけない。それも24時間体制で。夜中とか朝、食事の前に血糖値が上がったりするからです。結局そのような対応ができない場合には、そういう患者は施設から出ていってほしいと言われる状況が起こっています。

それから、経済的な支援が非常に乏しいです。小児期発症の子たちは20歳になるまでは国から医療費補助や保護者向けの特別児童扶養手当があるんですが、20歳になった途端に公的な支援がなくなってしまうという問題があるんです。

【土井】20歳以降は有料と仰っていましたが、結構高額な金額になるんですか?

【井上】20歳未満は無料というわけではなくて、この病気は20歳になるまでは医療費の一部公費負担になります。その自己負担の上限が大体月1万円なんです。

20歳以降になると健康保険を使って月額大体2万円から多い人で4万円ぐらいです。月額4万円というと年間で50万円ぐらいです。これは若い人にとっては決して楽な負担じゃないです。

次号へ続く

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2018.9.10