ニュースレターNo.36 記事:美しき円筒分水  From:yamada

サイフォンにより下から吹き上げられた水を同心円上に越流させることにより、用水を均等・厳格に分ける仕組みの分水槽です。

どれだけの量がどのように分配されているかが一目瞭然なうえに不正に流れを変えることができないため、水争いの解消にも役立っています。

噴水のようで噴水じゃない!円の中から水が溢れる様子はとても美しくいつまでも眺めていられます。

全国100ヶ所以上に存在し、ダムや工場が好きな土木マニアはもちろん、最近では若者にも人気が出てきているそうです。

日本一美しいと言われている富山県魚津市の東山円筒分水槽(とやま観光ナビより)

国の登録有形文化財にもなっています。

 

「ライバル」という言葉の語源をご存じでしょうか?

ラテン語で「小川」を意味する「rivus」の派生語である「rivalis」。

これが「同じ川(水源、水利権)をめぐって争う人々」から「1つしかないものを求めて争う人々」の意味へと発展し、フランス語を経由して英語になったそうです。

 

日本は海に囲まれた島国なので流れている川はすべて「日本の川」ですが、外国ではいくつもの国にまたがって流れている「国際河川」があります。

1本の川が何ヶ国にもまたがって流れていれば、国と国の間でお互いが水をたくさん確保しようとし、水をめぐる争いがおこることもあります。

日本においても古来より川の上流域と下流域で水を取り合う「水騒動」が各地で繰り返されてきました。

 

そこで、大正から明治にかけてこの水問題を解決する画期的な装置が開発されました。

それが「円」という形の特性を生かし、水を正確な比率で分けることのできる「円筒分水」なのです。

こちらは大分県の円筒分水です。

 

 

 

興味のある方はぜひお近くの円筒分水を探してみてください!